2016年2月16日火曜日

手術日はクリスマスイブ

 内視鏡科の先生に、3週間前に行った検査の結果を聞きに行ったら、「ズバリ言って癌です。」って告知されて、その日のうちに、大腸外科に回された。
 で、手術をしますってことになったんだけど、いきなり「いつが良いですか。」って云う話になった。だいたい、癌があったことさえ、さっきまで知らなかったんだから、手術の希望日なんて考えられるわけがない。「まだ、初期の癌ですから、そんなに慌てることもないんですが、最短でこのあたり。」2週間後?無理だ。そんな直近では、仕事が休めない。定年後の年寄りじゃあないんだから。「いっそのこと、年明けでも構いませんよ。」それはそれで、キビシイだろうって。癌があるって分かっていながら、2ヶ月もほったらかしにできるほど、僕は、強い精神力の持ち主じゃない。

 結局、年末に手術をして、年末年始の休みの前後に有給休暇をつけたせば、みんなに迷惑をかけることもないだろうってことで、24日に手術をすることをその場で、しかも一人で決めてしまった。「では、入院は2日前からですから、22日。退院は、問題が無ければ31日くらいには出来るでしょう。手術室の予約を入れておきますね。」
 みんなには申し訳ないけど、少し早めに年末休みに入って、正月休みを自宅療養に当てれば、仕事を極力休まずに済みそうだ。僕は、仕事のことばかり考えていて、24日がクリスマスイブであることをすっかり忘れていた。もっとも、僕の家では、今更クリスマスイブだからと云って、何をするわけでもないから、全然問題ないのだけれど。

 で、職場に戻って、上司に手術のことを報告したんだけど、なんの話もなかったところに、いきなり「癌の手術日決定!」なんて云うお知らせをしたものだから、みんなをビックリさせてしまった。

 ところが、手術日の数日前になって、いきなり外科の先生から、家に電話がかかってきた。「申し訳ないけど、手術日を25日に変えていただけませんか。」こちらは、やってもらう身だからいっこうに構わないし、入院の準備なんて全然出来ていなかったから、かえって好都合というものだ。
 しかしまた何で急に。ってまさか、先生、クリスマスイブに予定が入ったのだろうか。家族から責められて困惑している外科の先生の姿が目に浮かんできたw。

 というわけで、手術は25日になった。23日に入院して、先生に、手術は午前ですか午後ですか、って聞いたんだけど、先生は、どっちだったかなあって感じで、「後で看護師に連絡させます。」だって。まあ、直腸癌の腹腔鏡手術なんて、毎日ってくらいやっているのだろうから、そんなものなんだろう。でも、このユルさが、かえって僕を安心させてくれた。

 で、僕はクリスマスイブを病院のベッドで迎えることになったんだけど、手術の前日だから絶食で水分しか取れないし、腸を空にするために処方された下剤のおかげで、夜中にトイレに籠もったりして、人生で最悪のイブになってしまった。