2016年5月13日金曜日

初めて本物の麻酔医に会ったこと

 昔、とある病院に家族が入院しまして、見舞いに行ったのですが、暇だったので病院内をあちこち探検して回ったんです。そしたら、1階の売店の奥に薄暗い廊下が続いているのを見つけて、何があるのかなって進んでいくと、廊下の突き当たりに、麻酔科って表札の出ている部屋を見つけました。人っ子一人いない、しんと静まりかえった廊下にある、薄気味悪い部屋だったんです。
 麻酔医なんて知られていなかった頃でしたから、麻酔科にかかる患者ってどんな人たちなんだろうって不思議に思ったことを覚えています。
 で、何年かして、「医龍」などの医療ドラマが始まって、この世に麻酔医なる方たちがいると云うことを知りました。

 昨年の暮れ、直腸癌の手術のために入院していた時、看護師さんに麻酔科の先生の診察があるから、行ってきてくださいっていわれました。渡された地図を頼りに歩いて行くと、手術室の脇を入ったところに麻酔科の受付を見つけました。広い廊下には、誰もいません。廊下の照明が明るかったのが救いでしたね。これで廊下が薄暗かったら怖いですよ。据えてあるソファーに1人座っていると、診察室に呼ばれました。

 中に入って驚きました。だって、僕の手術を担当してくれる麻酔医は、ビックリするくらいの美人の女医さんだったんです。テレビで医療ドラマをするならば、こういうタイプの女優さんをキャスティングするだろうなって感じ。頭が良さそうで、クールで、美人な女医さんです。僕、頭の良さそうな女の人が大好きなんですよ。

 手術に伴う麻酔の説明をしてくれました。僕の手術は、腹腔鏡なので、「硬膜外麻酔」は無くって、「全身麻酔」だけで行うそうです。
「えっ」
僕が、以前、手術をしたことのある人から聞いていたのは「背骨に麻酔打つから、術後も全然痛くなくって、楽なもんだ」って話だったんです。
 痛み止めは、点滴の中に入っているヤツだけみたいです。直腸癌の腹腔鏡手術ってホントに軽く思われている手術なんですね。

 では、明日よろしくお願いしますってことで、部屋を出ました。何となく、明日、手術室に行くのが楽しみです。っていうか、そのくらい素敵な女医さんだったんですよ。